THE LOG OF Mewship50 "蟻道"

"THE LOG OF Mewship50"
街を離れ人里離れ、鬱蒼とした山林の丸太小屋でグラフィックを紡ぐファッキンバスケットボールストーリー
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「蟻道」をご存知だろうか。
蟻道とはシロアリが作る土で出来たトンネルのことだ。シロアリ被害にあった建物の基礎コンクリには大抵この蟻道があるだろう。その道が木部に届いたが最後、木は食い散らかされ土に変わる。
シロアリは日本全国に生息している。もちろんTOYAMAの僻地も例外ではない。ただログハウスは全身丸太なもんだからシロアリへの警戒が強く、基礎の高さが1m以上あったりするため軒下の風通しがかなり良い。そのため外部は痛みまくっていたものの軒下でシロアリの憂いは今の所確認されていない。
が、やはりシロアリ自体は近辺に存在していた。
裏手にあった広葉樹に違和感を感じた。木のウロに土の線が伸びている。ウロに棒を突っ込んでみると中は殆ど土塊になっておりカブトムシだかカミキリムシだかのグロい幼虫までいた。それまで見た事はなかったものの、木の汚染状況から土の線は蟻道だと確信した。
蟻道は古いもので中にシロアリはいなかった。ただ食い荒らされた木は痛み空洞化が進んでいる。木の生命線は中身ではなく表面の樹皮にある。栄養は全て樹皮を通っているため、ぶっちゃけ中身が無くても木は生きていける。そのため下の方が空洞になっているにも関わらず上の枝は逞しく伸び続け、ある日重みに耐えきれなくなり唐突に倒れる場合がある。
ということで高さ約7mの広葉樹を伐採。
予想していなかった箇所も汚染されており、屋根に覆い被さっていた直径15cm程度の枝はいとも簡単に切れた。というか折れた。中はやはり土塊になっておりグロい幼虫が断面で蠢いていた。
屋根に何度か当たったものの被害になるほどの事は無かった。男2人汗を流しわりと命がけの伐採を2時間で終えた。あの木を貪っていたシロアリはどこに行ったのか。今後も注意が必要だ。
2017.08.06
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